善啓 盆栽肥料さし

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善啓 盆栽肥料さしとは

 盆栽用の肥料さしでは、少量の水肥が少しずつ鉢に注がれるよう、注ぎ口の形状が最も

重要なポイントとなります。鶴の長い首からくちばしへのシルエットのように優美に流れ

る曲線は、肥料さしとしての優れた機能とともに、工芸品とも呼びたくなる美しさを併せ

持っています。

 磨き銅版を金型にあわせて切り取り、すべての曲線を小さな金槌で叩き出しハンダづけ

で本体を作り出しています。その後、接続部分について余分なハンダを削り取り、湿らせ

た稲藁を束ねたタワシ状の道具で砂をつけて表面を磨いています。さらに地肌全体をタン

バン(硫酸銅溶液)で煮上げることにより、この独特の風合いが生まれるのです。

 

 素手で取り扱うと触れた部分が変色するため、取り扱いには最善の注意を払っています。

 本品を作ったのは、明治・大正時代、名銅職人と言われた松村長寿斎の次男で、親に手

ほどきを受けた職人でしたが、故人となったため技術の伝承も途絶え、現存する数もわず

かとなりました。

 

規格:大 0.7L・小 0.3L